バンコクからラノーンへの行き方
ラノーンといえばかつては、タイの外国人居住者、特にプーケットに住む外国人の多くが、ビザ更新目的で隣国ビルマに入るのによく利用していた場所。けれど、2014年のクーデターと、在留更新を繰り返す外国人に対する一連の取り締まりのおかげで、ラノーンのビザ更新斡旋会社を訪ねる人の数もすっかり少なくなったよう。
一見単なる国境の町にしか見えないラノーンですが、ここにはそれなりの個性もまだ残っています。ビルマと中国の影響を色濃く残した食事は、びっくりするほど美味しいと有名。また、ミャンマーの発展によって、ラノーンも前向きな影響を受けています。タイ国内で最も雨が多いエリアとして知られるラノーン県。一番有名なアトラクションは何と言っても、世界屈指のダイビング向けスポットとして知られるスリン諸島やビルマバンクを周る、ダイビング・クルーズでしょう。また、チャーミングなパヤム島やチャーン島(トラート県のチャーン島とは別モノなのであしからず!)は、 遠く離れた素朴な土地でゆったり夢心地に身を委ねて、普段の生活を忘れるのにぴったり。
バンコクからラノーンへの行き方
ラノーンに出入りしている電車はなく、最寄りの駅は湾岸のチュンポンになります。電車でバンコクからチュンポンへ向かい(約7〜9時間)、チュンポンでバスに乗り換えてラノーンへ(2時間)行くことも可能ですが、春本またはタオ島に立ち寄る理由がない限り、ベストなオプションとは言えません。
バスを使ってバンコクからラノーンへ
バンコクから出発しているタイ南部行きのバスは、基本的に全便、サーイタイマイ(Sai Tai Mai)こと、南バスターミナルから出発します。チャオプラヤー川の西岸にあり、アクセスにはタクシーが便利です。バンコクからラノーンまでの移動には、およそ8〜9時間かかるため、日中の時間を有効に使えてホテル代も節約できる、夜行バスの利用がおすすめです。バンコク発ラノーン行きの夜行バスは、ニオミット・ツアー(Niomit Tour)が、エクスプレス、VIPおよびVIP24の3タイプで運行中。どのタイプのバスも夜9時にバンコクを出発し、目的地には午前4時50分〜5時半頃に到着します。VIPとVIP24のチケットには車内での軽食が含まれ、エクスプレスの場合はスナックのみとなっていますが、夜遅くにお腹が空く人でない限り問題にはならないはず。チケットは、エクスプレス、VIPおよびVIP24各THB460/550/710となっています。予算が許す限り、客席間隔が広めに作られているVIP24の利用がおすすめ。また、エクスプレスは、ラノーンまでの道程で途中上下車する乗客や荷物を許しており、停車する度に客席ライトが点くのでご了承ください。予定よりも長めの旅になっても気にならないという場合であれば、エクスプレスでも大丈夫でしょう。
ポイント:タイの長距離バスはエアコンが効き過ぎることが多く、ニオミット・ツアーのバスも例外ではありません。渡されるブランケットだけでは間に合わないほど冷え過ぎる場合があるので、レイヤーできる暖かい服を持参しましょう。
飛行機を使ってバンコクからラノーンへ
陸旅が大好き、という人でも、飛行機を使った方が便利なことも。タイの格安航空会社の中には期間限定で割引料金を提案している場合もあるので、お得なチケットがあるかぜひ確認してみましょう。ノックエア(Nok Air)は、バンコクのドンムアン国際空港からラノーン行きの直行便を2便運行しています。午前のフライトは6AM発、午後のフライトは5:05PM発。渡航時間は1時間25分で、料金はTHB1150〜(割引期間の場合、更に低価)。ただし、ラノーン空港は市中心地から約22km南に位置しているため、空港から市内への移動に40分程度要します。
ラノーン乗り継ぎ
ランキット(Rung Kit)社が運行するラノーン発プーケット行きのエクスプレスバスは、5時間半で島に到着。チケットは約THB300で、出発時間は6:30AM、9:30AMおよび4PM。最終便をご利用の場合、プーケットのバス停に到着するのは午後9時半頃ですので、プーケットでの宿泊先 は、あらかじめ予約しておくか、ビーチに直行せず、一泊目は町内のゲストハウスのご利用をお勧めします。
ラノーンからはこのほか、スラートターニー、クラビ、パンガー、ナコーンシータンマラート県、ハジャイなどにアクセス可能。チケットは、市中心地から1kmのところにあるラノーンのバス停(青いソンテウを利用)で、簡単に現地購入できます。
パヤム島
パヤム島は、楽園のイメージそのもの。遠くへと続く美しい砂浜と、透き通る青い海。素朴なバンガローが点在し、今やなかなか見られないパーフェクトな隠れ家的アイランドの雰囲気満点。パヤム島は、ラノーン県内の主要観光スポットではあるけれど、人が溢れた印象はあまりなく、ビーチを独り占めできる可能性も(!)。幅の狭い島の通りは車両通行なし。24時間電力設備があるのは大きめのリゾート数件のみとなっています。とはいえ、多くの宿がインターネット接続を提供しているので、ちょっと寂しくなったらスマホで世界の様子をチェックしましょう。
パヤム島の一番の魅力は何と言っても自然のままのビーチだけれど、丘陵広がる内陸も訪れる価値あり。絵葉書のようなパヤム島の完璧なビーチの光景に飽きたら、ジャングルでちょっとハイキング、なんてことも可能です。パヤム島は本土から約35kmの場所に位置し、スピードボートを利用すれば約45分、一般のフェリーであれば2時間で到着。ボートは通年運行していますが、島内の小型バンガローの大半は、4月〜10月のオフシーズン中休業します。